近況報告:ネパール・サララヒ村小学校


2011年1月のネパール支援金届&視察は昨年に引き続き中西明子さんにお願いいたしました。
以下は中西さんからの報告書です:    

”ネパール国は、今年を〔観光年〕としているようで、道も昨年より随分きれいになり、カトマンズの街中も箒で掃かれたり水を打つなど・・・驚きました。相変わらずは、停電ですが発電機を利用したりして、いくらか明るい夜の街となっていました。

ネパールには、各地に日本などの支援による学校が沢山あるようですが、その後の維持費が追いつかず、何年かで学校がなくなってしまうケースが多いようです。サララヒ村のイサカ小学校は、7年が過ぎ少しずつ設備も良くなってきており村人からの熱い信頼も寄せられています。日本語を教えてくれる人材が欲しいなど日本への関心も高く「支援を継続してくださる日本の皆様のお陰です。」と代表のスレンドラ・ラマさんが嬉しそうに話してくれました。

サララヒ村の小学校は、2011年1月現在、317名(寄宿している孤児32名含む)
先生は、ボランテァの方を含み17名、内3名が住み込みで世話をしています。

ネパールでは、今も様々な形の内戦が続いており、内戦による爆撃事故で一緒にいた母親が死亡、全身に大やけどを負った16歳の女の子がいました。左手は指先がもげてしまい、さらに両手とも指がくっついてしまいました。カトマンズの医者に診てもらい、相談したところ手術費用は12万円くらいかかるとのことです。

関係者の話によると困っている人達は沢山おり、大なり小なり助けを求めてくるのだが、現在は、これ以上の受け入れも難しく面倒もみられない状況で何も出来ない事の方が多いとのことです。その中で、この女の子は、もし手術で指が使えるようになったら一生この学校で子ども達の世話をさせて欲しいと懇願しているそうです。一日も早くいくらかでも治って欲しいものと思いました。

新しい校舎は寄付金を全て使ってきれいに出来上がっていました。
新校舎には、男子用、女子と小さな子の宿舎もできました。
もう、外での授業はしなくてよくなってきていたが、4クラスは、まだ壁の無い教室で勉強していました。また、壁があっても、机、椅子がないクラスは、家から薄い布や米を入れておく袋など持参して敷き授業を受けていました。

また、ネパールでは、小学校4年生から英語を学ぶようですが、この小学校では、将来のために小さい児童からネパール語と一緒に英語を積極的に教えているとのことでした。

ベツ先生の教育方針として心掛けていることは?と訊ねると生徒が楽しく明るく過ごせるように学習を進めているとのこと・・・本当にここの生徒たちは素直で笑顔が絶えないように見えました。

授業をしている各クラスで「将来何になりたいの?」の問いに「教師、医者、エンジニア、看護婦」が多く、今回も人を助け、人の役に立ちたいと強く思っている様子が伝わってきました。

内戦、民族間の差別を超えて、肌で感じた優しい思いやりの心が、ネパールの国の新しい平和のエネルギーで満たされて行くことを願いました。教育と共に自然に芽ばえはじめた助け合いの心を育みながら子どもたちの目は輝いていました。

「歌手になりたい!バンスリ奏者(竹笛) !タブラ奏者(太鼓)!」という子もおり、世界共通語である、音楽の時間をもっと増やしたいとの話もありました。

授業参観の間に、孤児たちの賄いを全面的に引き受けている女性に話を聞きました。
彼女は学校に寄宿しており、献身的に子ども達の面倒を見てくれています。
「一番困るのは、たまに米や野菜がなくなる時、そんな時には、村人に米を借りてきます。また、煮炊きする鍋が大きいものがないので二回に分けて炊きます。皿も少ないし、食器を洗う処も狭い。さらにネパールでは、木がなくなってきており、手に入り難く、ガスが使えるようになったら・・・。」

「でも、ここの子ども達は、偉いです!何の食材もなく、美味しい料理ができなくても誰も文句は決して言いません。素晴らしい子ども達です!」と。

孤児たちの休日は?どのように過ごしているのか?ベツ先生に訊ねました。
「子ども達とミーティングをしたり、学校の掃除をみんなでしています。村人たちが昼食を作って助けてくれピクニックに行くこともあります。時にスポンサーが、映画に連れて行ってくれたりもします。」と。

ネパールは、昨今、物価が高くなっているが、先生方の給料は変わらず、町中での生活はとても大変になってきているようです。しかし、村では、野菜を作ることができるのでなんとか頑張れるようです。先生方は、1ヶ月10000円~15000円の給料で村で生活しています。ちなみに ボールペン1本が15ルピー(18円)もします。

ラフーの寄付金で学校内が整備され、孤児達の宿舎完成は、教室兼とならずきちんと授業ができるようになって大変感謝されました。明るくきれいな校舎は子どもたちにとっても嬉しいことでしょう。

新しい部屋に設置された二台のパソコンの一台は壊れて使えなく、3時間毎の停電も先生方のパソコン業務に支障があるようです。
(中西明子)